AIの進化が生む大衆迎合主義

AIの進化が生む大衆迎合主義
情報革命の歴史を振り返ってみると、5000日周期で社会が大きく転換するという見方は、それなりの説得力を持っています。
この類の様々な周期説にはこじつけも多く、私が提唱している日本社会80年周期崩壊説も相当のこじつけだと自認しています。
ただ、人生設計や資産形成で何らかの指標を持つのは便利であり、そういった意味では、この5000日周期説も非常に面白い理論です。
そこで私は、「スマホは世界を変えた」との前提で、初代iPhone発売から5000日後の21年3月7日をWEB2.2の起点、その5000日後の2034年11月14日を「シンギュラリティの日(SINGUDAY)」と定めました。
この頃には気候変動問題も、自然エネルギーや電気自動車の飛躍的な普及で、うまくコントロール可能ではないかと考えています。
その一方で、AIや仮想現実の進化には危機感を持っており、人々が受ける恩恵は多大な反面、果たして制御可能かどうかと考えると、背筋がざわつくような恐怖感を覚えます。
それはAIによる洗脳です。今でさえ大量消費や環境破壊など、資本主義の洗脳攻撃に晒されている上に、さらにAIによる洗脳が加わったら人類はどうなるか分かりません。
AIが創る音楽や映画だけでなく、世論操作やフェイクニュースなど、多くの国々でポピュリズム(大衆迎合主義)の動きが強まっており、トランプ氏支持の白人貧困層も、仏伊両国の極右政党支持層も、「洗脳され易い人々から順にAIの餌食となる」傾向が顕著です。
それらが極右の弱小政党にとどまっているうちは良いのですが、東アジアの某国のように、国家レベルでAIを世論操作に使う場合は、ただごとではすみません。
私たちは、それらによる社会や経済の大変動を前提に、資産形成や人生設計を行わなくてはならないのです。

63歳からのセミリタイアライフを設計する過酷な臨床を癒やすセミリタ今回は「リラックスできない日本人社会」を説明します。
63歳から少しずつセミリタイアを進め、海外での中長期滞在を目指すというコンセプトで色々なことを考えています。
では、「ノンビリとしたセミリタイア生活」とは何を指すものなのでしょうか?ネットで調べれば、色々とリタイアリー向けの情報が出てきますが、どれも一般的なサラリーマン向けのものであり、私たち開業医のリタイアメント生活については、自分たち自身で考えていくしかありません。
日々の臨床は極めて過酷な仕事であり、「月の時間外労働80時間で過労死」などと聞くと、私たち開業医は全員過労死しています。
日々の診療や労務管理は体にも心にも相当なストレスを溜め、それらを癒やしてくれるリタイアメントライフの設計が必要です。
私が提唱している「完全リタイアではなく、生涯現役&セミリタイア」というスタイルは自営業者にしか出来ず、なかなか「これだ!」という情報が見つかりません。
私がこの考えに可能性を感じたのは2015年のバンコク銀行口座開設ツアーの時でした。
ここ3年ほどはコロナで色々なツアーができませんが、コロナ前は海外デンタルショー参加や口座開設など色々な企画をしており、時には「夜遊び系ツアー」もありました。(^_^)その銀行口座開設ツアーの当日、バンコクの日本大使館前で集合したのですが、事前に登録された7名の先生方の名簿を確認すると、お1人だけまだ来られていないようでした。
親子で1ヵ月交代の診療体制ところが人数はぴったり7名で、あれ「〇〇先生がまだ来ていないかな?」というと、1人の若い先生が、「先生、今回は父ではなく私です」とおっしゃいました。
実はそのお父様とは1年ほど前に、モリタ・タイ工場見学ツアーでご一緒したことがあり、今回もお父様が出席すると思っていたのですが、なんと息子さんが参加されていたのです。
そして口座開設が終わってからのランチの時に、「ウチの診療は私と父で1ヵ月交代です」、「父はいつもクルーズ船です」とおっしゃった時に、「これだ、これこそ究極のセミリタだ!!」と思ったのです。
63歳からのセミリタイアライフを設計する3ここまで見事なビジネスモデル(?)は、そう簡単には実現できませんが、こういう形で生涯現役を続けながら、少しずつフェードアウトしていくのが理想ではないでしょうか。
こういった形での時間創出が出来たとしても、「ではどのような生活を送るのか」については、自分で追求していかなければなりません。
私もよく「先生は海外で何をしているのですか?」と聞かれるのですが、いつも「普通に生活しています」とお答えしています。
最初の頃は、中国でも東南アジアでも色々な所に行きましたが、最近は「何もせず読書をしたり、映画を見たり」という生活が1番リラックス出来ることに気が付きました。
癒やされない空間・日本人社会それと同時に、海外にもリラックスできない空間があることにも気づきました。
バンコクにせよシンガポールにせよ、現地には大小様々な日本人会があり、ここに身を置いていれば、何も困る事はないのですが、国内と同じ習慣や決まり事に縛られ、とてもリラックス出来る雰囲気ではなさそうです。
どの街にも日本人が集まる居酒屋や和食店がたくさんあり、そういったお店ではアルコールが入ることもあり、「日本のサラリーマン社会の縮図」が繰り広げられています。
上司やライバル会社の悪口だけならまだしも、「だからタイ人はダメなんだ」、「日本だったら考えられないよ」などの悪口大会です。
こういったお店は、日本株式会社の最前線で戦う企業戦士のストレス発散の場であり、私のようなリタイアリーが口出しすることではないのですが、こういった場所に近づかないこともリラックスするための要点だと思います。
企業戦士以外にも、完全リタイアした日本人が大勢いますが、彼らは人的資本を失っているため自分で稼ぐことができず、限られた収入での生活を余儀なくされています。
そのため、とにかく「安さ」だけを求め、およそリラックスとはかけ離れた生活を余儀なくされているケースもたくさんあるようです。